- Date: Wed 08 01 2014
- Category: 2012落合博満講演会
- Community: テーマ "プロ野球" ジャンル "スポーツ"
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落合博満講演会2012レポートその14
2012年5月某日。
講演の詳細をレポート致します。
尚、メモと記憶を頼りに作成しておりますので、私なりにかなりのアレンジを加えており、完全に一字一句を再現したものではないことをご理解下さい。
2012年 その1を最初から読むはこちら…
あのー…オレがWBCに選手出さなかったって言われてる件だけどね…
オレ出さなかった訳じゃないよ。
みんな行きたくないって言ったんだよ…
オリンピックから帰って来た時の岩瀬の姿見てるからね…
アイツなんかオリンピックで打たれて帰って来てさ、脅迫状…「死ね」とか「日本から出て行け」とかさ…そんなの届いてるし、スタンドでも普段言われた事の無いような酷い罵声を浴びてきたらしいんだよね…

…アイツがさ、オリンピックの報告でニューオータニに泊まってたオレの部屋を憲伸に連れられて訪ねて来たんだ。
「なんだ、帰って来たばかりなんだからしばらく休んでいいぞっ」って言ったらさ、
「一人で居ると自分でも何しでかすかわからないのでチームと一緒にいさせてもらえませんか?」ってね。
「そりゃ…お前がそう言うなら構わんけどな…」って言ったけどね、そんで憲伸に聞いたら、岩瀬はかなりオリンピックで打たれて色んな事言われて相当ショックだったらしい。
オレの所に来る前に…ホテルの高層階ですよ…
「ここから飛び降りたら楽になれるかな…」なんて言ってたらしいんですよ…この意味解りますよね。
それ位オリンピックから帰って来た時のアイツは心も体もボロボロだったんです。
ところでさ、岩瀬と憲伸ってもの凄く仲がいいんですよ…もうお前ら夫婦なんじゃねえかって思うくらいにね…
どっちが女房でどっちが旦那かはともかくね…(笑)
まあ変わってるよあいつら…同じチームの同じ投手。商売敵だってのに仲良しなんだから余程気が合うんだろうな。
ふたりとも結婚してるのになあ…友情って奴なのかな。

まあ冗談はさておき、あの岩瀬でさえ重圧でそこまで追い込まれてしまうんですよね。百戦錬磨の投手ですよ…色んなヤジを受ける事も経験してきた選手でさえ、日の丸を背負って戦うってことはそれだけ厳しいことなんだって、終わって初めて解ったんだね。
オリンピックやWBC、日の丸を背負って戦うってのはそれなりの覚悟が必要なんだよな。日頃から日本を代表して戦うという強い覚悟を持って練習に取り組んで行かなくちゃいけないんだろうと思う。
オリンピックを目指す競技の選手やサッカーの日本代表とかはきっと日頃からそういうね、脅迫状や死ねとか、日本へ帰って来るなってこと言われること覚悟してるんだと思うよ。
でもプロ野球選手ってのは日頃からそんな意識なんかある訳ないじゃないか。
そりゃ選ぶ方は勝手なもんだよ。
あの選手がいい…こいつがいいって好き勝手言いやがるけどさ、選手にとってはたまったもんじゃないよな。
参加を拒否すればマスコミからは国賊扱いされるしな。
候補選手だなんて言って選んでおいてさ、練習見てやっぱりお前いらないやとか言われたらどう思う?
選手をなんだと思ってるんだよってオレは腹が立つんだよな。
勝手に選んで断れない感じにして、勝手にいらないって言ってなんの責任も取らないで知らん顔…
だからオレはNPBに言ったんだ
「選手が行きたいか行きたくないか、意思をきちんと確認した上で行きたい奴の中から選んでくれ」ってね。
それでウチで候補になってる選手に聞いたんだよな、
「お前らどうしたいのか自分で決めろ」って。
出たい奴はでてもいいよって。これに関してはオレも球団も強制したりしない。
選手個人の意思を尊重するからなってね…
そしたら誰も行きたくないってな…
でも選手の意思で出たくないなんて言ったらまたマスコミに何言われるかわからないからさ、そんじゃオレが防波堤になってやるってね。オレはマスコミから色々叩かれ慣れてるしオレのせいにしとけば選手に批判はいかないだろうってんでさ、オレが代表して選手が出られないと言っているので出しませんと…そういうことなんだ。
あのね、最終的にはWBCでは監督コーチらの首脳陣が候補選手を選定して打診。出たい選手だけが出る、嫌なら断るってルールだったんだ。
そんでね、この候補選手の選定はマスコミには絶対に公開しないという約束事が書面で決められいていたんですよ。
その約束事を破ったのが…
当時のジャイアンツの代表とNPBの事務局長。
こっちが選手の意思確認して誰も出さないって言った段階では既に誰に声がかかって誰が断ったってことがマスコミにはリークされちゃってたんだ。
…まあそれだけのことなんだけね…
でもね、そんな騒動の中でも選手には何回か意思確認してるんですよ。
チームの全員にね…お前ら正直にどうなんだ、しがらみとか金のこととか抜きにして純粋に出てみたいかって聞いたらね、結構出たいって奴は多かったんですよ。
でもね…
行きたいって言ってる奴に限って誰も選ばれてないんだよ!(笑)
強いて一人あげるなら中田賢一なんです!(笑)

確かにコイツがハマったらアメリカのバッターからバシバシ三振取って面白い事になりそうだなって感じはしたんだよ。
「オイ賢一出たいか?」って聞いたら
「ハイ!出たいです!是非出てみたいです!」だって…
「そうかそうか…出たいのか…オレ応援するけどな…
でもお前の事、誰も選んでないなあ…諦めるしかないよなあ」(笑)

なんてことがあったんですよ。
でもね、一番最初のスタート、選手の選考のやり方が間違いだったと思いますよ。
まず、行きたいと言う選手の意思を聞いて、その中から選考するというやり方にすべきだったんですよ。
それを希望も聞かずにアイツがいいコイツがいいと勝手に指名してさ、本人が行きたくないとなったら国賊扱いで叩くんだから酷い話ですよ。
正直に言わせてもらえば日本の選手会もNPBも組織としては甘い!はっきり言って子供の組織です。
ある時は個人事業主、ある時は球団の持ち物、選手も球団もNPBも立場が決まってない…
その場しのぎで立場を変えるような
未熟な組織の集まりなんですよ…
その15へ続く…
※内容は録音されたものではありません。会場内での録音は禁止です。
私の記憶とメモを頼りに、講演者の言葉風にアレンジして作成したものですので一部文脈に不自然な点もあるかもしれませんが、ご了承下さい。
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講演の詳細をレポート致します。
尚、メモと記憶を頼りに作成しておりますので、私なりにかなりのアレンジを加えており、完全に一字一句を再現したものではないことをご理解下さい。
2012年 その1を最初から読むはこちら…
あのー…オレがWBCに選手出さなかったって言われてる件だけどね…
オレ出さなかった訳じゃないよ。
みんな行きたくないって言ったんだよ…
オリンピックから帰って来た時の岩瀬の姿見てるからね…
アイツなんかオリンピックで打たれて帰って来てさ、脅迫状…「死ね」とか「日本から出て行け」とかさ…そんなの届いてるし、スタンドでも普段言われた事の無いような酷い罵声を浴びてきたらしいんだよね…

…アイツがさ、オリンピックの報告でニューオータニに泊まってたオレの部屋を憲伸に連れられて訪ねて来たんだ。
「なんだ、帰って来たばかりなんだからしばらく休んでいいぞっ」って言ったらさ、
「一人で居ると自分でも何しでかすかわからないのでチームと一緒にいさせてもらえませんか?」ってね。
「そりゃ…お前がそう言うなら構わんけどな…」って言ったけどね、そんで憲伸に聞いたら、岩瀬はかなりオリンピックで打たれて色んな事言われて相当ショックだったらしい。
オレの所に来る前に…ホテルの高層階ですよ…
「ここから飛び降りたら楽になれるかな…」なんて言ってたらしいんですよ…この意味解りますよね。
それ位オリンピックから帰って来た時のアイツは心も体もボロボロだったんです。
ところでさ、岩瀬と憲伸ってもの凄く仲がいいんですよ…もうお前ら夫婦なんじゃねえかって思うくらいにね…
どっちが女房でどっちが旦那かはともかくね…(笑)
まあ変わってるよあいつら…同じチームの同じ投手。商売敵だってのに仲良しなんだから余程気が合うんだろうな。
ふたりとも結婚してるのになあ…友情って奴なのかな。

まあ冗談はさておき、あの岩瀬でさえ重圧でそこまで追い込まれてしまうんですよね。百戦錬磨の投手ですよ…色んなヤジを受ける事も経験してきた選手でさえ、日の丸を背負って戦うってことはそれだけ厳しいことなんだって、終わって初めて解ったんだね。
オリンピックやWBC、日の丸を背負って戦うってのはそれなりの覚悟が必要なんだよな。日頃から日本を代表して戦うという強い覚悟を持って練習に取り組んで行かなくちゃいけないんだろうと思う。
オリンピックを目指す競技の選手やサッカーの日本代表とかはきっと日頃からそういうね、脅迫状や死ねとか、日本へ帰って来るなってこと言われること覚悟してるんだと思うよ。
でもプロ野球選手ってのは日頃からそんな意識なんかある訳ないじゃないか。
そりゃ選ぶ方は勝手なもんだよ。
あの選手がいい…こいつがいいって好き勝手言いやがるけどさ、選手にとってはたまったもんじゃないよな。
参加を拒否すればマスコミからは国賊扱いされるしな。
候補選手だなんて言って選んでおいてさ、練習見てやっぱりお前いらないやとか言われたらどう思う?
選手をなんだと思ってるんだよってオレは腹が立つんだよな。
勝手に選んで断れない感じにして、勝手にいらないって言ってなんの責任も取らないで知らん顔…
だからオレはNPBに言ったんだ
「選手が行きたいか行きたくないか、意思をきちんと確認した上で行きたい奴の中から選んでくれ」ってね。
それでウチで候補になってる選手に聞いたんだよな、
「お前らどうしたいのか自分で決めろ」って。
出たい奴はでてもいいよって。これに関してはオレも球団も強制したりしない。
選手個人の意思を尊重するからなってね…
そしたら誰も行きたくないってな…
でも選手の意思で出たくないなんて言ったらまたマスコミに何言われるかわからないからさ、そんじゃオレが防波堤になってやるってね。オレはマスコミから色々叩かれ慣れてるしオレのせいにしとけば選手に批判はいかないだろうってんでさ、オレが代表して選手が出られないと言っているので出しませんと…そういうことなんだ。
あのね、最終的にはWBCでは監督コーチらの首脳陣が候補選手を選定して打診。出たい選手だけが出る、嫌なら断るってルールだったんだ。
そんでね、この候補選手の選定はマスコミには絶対に公開しないという約束事が書面で決められいていたんですよ。
その約束事を破ったのが…
当時のジャイアンツの代表とNPBの事務局長。
こっちが選手の意思確認して誰も出さないって言った段階では既に誰に声がかかって誰が断ったってことがマスコミにはリークされちゃってたんだ。
…まあそれだけのことなんだけね…
でもね、そんな騒動の中でも選手には何回か意思確認してるんですよ。
チームの全員にね…お前ら正直にどうなんだ、しがらみとか金のこととか抜きにして純粋に出てみたいかって聞いたらね、結構出たいって奴は多かったんですよ。
でもね…
行きたいって言ってる奴に限って誰も選ばれてないんだよ!(笑)
強いて一人あげるなら中田賢一なんです!(笑)

確かにコイツがハマったらアメリカのバッターからバシバシ三振取って面白い事になりそうだなって感じはしたんだよ。
「オイ賢一出たいか?」って聞いたら
「ハイ!出たいです!是非出てみたいです!」だって…
「そうかそうか…出たいのか…オレ応援するけどな…
でもお前の事、誰も選んでないなあ…諦めるしかないよなあ」(笑)

なんてことがあったんですよ。
でもね、一番最初のスタート、選手の選考のやり方が間違いだったと思いますよ。
まず、行きたいと言う選手の意思を聞いて、その中から選考するというやり方にすべきだったんですよ。
それを希望も聞かずにアイツがいいコイツがいいと勝手に指名してさ、本人が行きたくないとなったら国賊扱いで叩くんだから酷い話ですよ。
正直に言わせてもらえば日本の選手会もNPBも組織としては甘い!はっきり言って子供の組織です。
ある時は個人事業主、ある時は球団の持ち物、選手も球団もNPBも立場が決まってない…
その場しのぎで立場を変えるような
未熟な組織の集まりなんですよ…
その15へ続く…
※内容は録音されたものではありません。会場内での録音は禁止です。
私の記憶とメモを頼りに、講演者の言葉風にアレンジして作成したものですので一部文脈に不自然な点もあるかもしれませんが、ご了承下さい。
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